海外暮らしと迷い

帰国するか、残るか。迷い続けるときに見直したい「人生の周期」

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飛行機の窓から見える夕暮れの雲
Photo: Yue WU / Unsplash

「やっぱり日本に帰ろう」と思った翌朝に、「いや、ここで頑張りたい」と思い直す。帰国か残留かの問いは、一度考え始めると、なかなか手放せなくなります。

外務省の統計では、2025年10月時点で海外に暮らす日本人は約129万8千人。フランスだけでも3万6千人を超えています。この問いを抱えているのは、決してあなただけではありません。

私は2017年からフランスで暮らしながら、四柱推命とタロットで500人以上の方の相談を受けてきました。海外在住の方からのご相談で、もっとも多いテーマのひとつがこの「帰るか、残るか」です。この記事では、迷いが長引く理由と、整理するための考え方をお伝えします。

なぜ「帰国か残留か」は決められないのか

この問いが難しいのには、はっきりした理由があります。

まず、どちらの選択肢も現実的だということ。片方が明らかに悪ければ、人はそれほど迷いません。日本には家族や言葉の安心があり、今の国には築いてきた仕事や人間関係がある。どちらを選んでも、何かを手放すことになります。

次に、損得の計算だけでは答えが出ないということ。給料、物価、住まい、子どもの教育。比べられる項目はたくさんありますが、表にしても最後の一歩は決まりません。この問いの奥には、「自分はどう生きたいのか」という価値観の問題があるからです。

そして三つ目に、多くの方が見落としているのが、「場所の問題」と「時期の問題」が混ざっていることです。

メリット・デメリット表で決まらないとき

帰国か残留かで迷う方の多くは、すでにメリット・デメリットの表を何度も作っています。それでも決まらないとき、表の中身が足りないのではありません。問いの立て方そのものを、少し変える必要があるのかもしれません。

私のセッションを受けた方のなかに、2年間、毎朝のように答えが変わっていたという方がいます。分析を重ねるうちに見えてきたのは、その方が求めていたのは「新しい場所」ではなく、「内面の落ち着き」だったということでした。外側を動かすことで、内側の揺れを解決しようとしていたのです。

場所を変えれば解決することもあります。けれど、場所を変えても同じ迷いを持ち越してしまうこともあります。その見極めが、決断の質を大きく変えます。

「場所の問題」か「時期の問題」かを分けて考える

四柱推命では、人生をおよそ10年ごとの「大運(たいうん)」という流れで捉えます。種を蒔く時期もあれば、育てる時期、収穫する時期、休ませる時期もある。いわば、人生の季節のようなものです。

この視点で見ると、迷いの正体が少し違って見えてきます。

  • 環境そのものが合っていないのであれば、場所を変えることには意味があります。
  • 今が変化と揺らぎの時期なのであれば、どこにいても同じように揺れる可能性があります。その場合、大きな決断を急ぐより、まず自分の土台を整えるほうが、後悔の少ない選択につながります。

どちらなのかを知るだけで、「今決めるべきか、もう少し待つべきか」の判断がずっとしやすくなります。大運については、四柱推命の「大運」とはで詳しく解説しています。

決める前に確かめたい5つの問い

帰国か残留かを考えるとき、次の問いを、紙に書きながら自分に投げかけてみてください。答えを出すためではなく、自分の本音を見つけるための問いです。

  1. この迷いは、いつから始まりましたか。 きっかけになった出来事はありますか。
  2. 5年後の自分を想像したとき、どちらの国の景色が自然に浮かびますか。
  3. 帰りたい理由は「日本に何かがあるから」ですか、それとも「ここから離れたいから」ですか。
  4. もし誰にも反対されず、お金の心配もなかったら、どちらを選びますか。
  5. 今の迷いは、1年前にも同じ形でありましたか。

3つ目の問いは特に大切です。「向かいたい場所がある」のか「逃れたい場所がある」のかで、同じ帰国でも意味がまったく変わります。また5つ目の問いで「1年前にはなかった」と感じるなら、今は一時的に揺れやすい時期なのかもしれません。

帰国後の「逆カルチャーショック」も織り込んでおく

帰国を考えるなら、あらかじめ知っておきたいことがあります。それは、日本に帰ってからも適応の期間があるということです。

異文化への適応には、高揚、落ち込み、回復という波があるとされ、1950年代にはこれを「U字曲線」として説明する研究が発表されました。1963年にはGullahorn夫妻が、帰国後にもう一度同じ波が来ることを加えた「W字曲線」を提唱しています。

「帰れば楽になる」と思って帰国した方が、日本のペースや人間関係の距離感に戸惑い、かえって孤独を感じることは珍しくありません。帰国を選ぶこと自体は何も悪くありません。ただ、帰国後にも揺れる時期があると最初から知っておけば、その揺れを「選択を間違えた証拠」だと思わずに済みます。

四柱推命とタロットでできること

四柱推命やタロットは、「帰るべきです」「残るべきです」と答えを出すものではありません。私も、どちらかを勧めることはしません。決めるのは、いつもご本人です。

そのかわりに、次のことを整理するお手伝いができます。

  • 四柱推命で、あなたが本来どんな環境で力を発揮しやすいか、そして今が人生のどんな季節にあたるのか
  • タロットで、今の迷いの奥にある本当の気持ちや、ブロックになっているもの

自分の傾向と今の時期がわかると、「どちらが正解か」ではなく「今の自分にとって納得できるのはどちらか」という問いに変わります。その問いの変化が、長い迷いから抜け出すきっかけになることが多いのです。

まとめ

  • 帰国か残留かが決められないのは、どちらも現実的な選択肢であり、価値観の問題が絡んでいるからです。
  • メリット・デメリット表で決まらないときは、「場所の問題」か「時期の問題」かを分けて考えてみてください。
  • 帰国後にも適応の波があることを、あらかじめ織り込んでおきましょう。
  • 答えを急がず、自分の本音と今の時期を知ることが、後悔の少ない選択につながります。

海外生活そのものに疲れを感じている方は、海外生活に疲れたと感じるのは、弱さではないもあわせて読んでみてください。

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